日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

吉光

【偉人の刀剣】淀屋辰五郎の刀

淀屋辰五郎の刀 元禄(一六八八)ごろ、大坂の豪商として知られた淀屋辰五郎所蔵の刀です。淀屋の五代目で、正しくは三郎右衛門といいます。宝永二年(一七〇五)五月、分を越えた豪奢や詐欺の罪をもって、闕所・所払いの刑に処せられました。 その時の没収品中…

【刀剣紹介】三本寺吉光

三本寺吉光 上杉景勝の邸に文禄三年(一五九四)十月二十八日、豊臣秀吉を招いたとき、拝領した脇差です。刃長一尺九分(約三三・〇センチ)、景勝三十五腰の一です。 参考文献:日本刀大百科事典

【刀剣紹介】米沢藤四郎

米沢藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光の短刀です。初め豊臣秀吉所蔵でした。おそらく秀吉の遺物として、羽州米沢城主・上杉景勝へ贈られたのでしょう。景勝はこれを二代将軍秀忠に献上しました。秀忠は寛永二年(一六二五)二月五日、三男の駿河…

【刀剣紹介】豊後藤四郎

豊後藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀です。もと京都の醍醐寺門跡所蔵でした。同寺が庭園造築のさい、備前児島産の藤戸石が巨大すぎて、動かせなかった時、寛正三年(一四六二)十月以来、侍所所司代だった多賀豊後守高忠が、この脇差を…

【刀剣紹介】放下通し吉光

放下通し吉光 粟田口吉光作の槍の異名です。若州氏家家蔵でした。 裏は平造りで、棒樋をかくが、表は不明。刃文は直刃。「吉光」と在銘。放下師を突き通したための異名であろう。 参考文献:日本刀大百科事典

【刀剣紹介】樋口藤四郎

樋口藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀です。樋口はヒノクチとよむのが正しいです。泉州堺の樋口屋という商人です。もとは肥前長崎の商人といいます。樋口屋所持の本刀を、石田三成が金十三枚で買い取り、天正(一五七三)ごろ豊臣秀次へ…

【刀剣紹介】初桜吉光

初桜吉光 周防山口城主・大内家重代の刀、というが、尼子興久の初桜と同物でしょう。吉光の作といいます。その吉光は粟田口吉光のことでしょう。大内義長は弘治三年(一五五七)四月二日、毛利元就に敗れ、長福寺に入って自殺するとき、大内家重代の歌館の茶入…

【刀剣紹介】長岡藤四郎

長岡藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀です。命名の由来については、長岡(細川)幽斎所持説・長岡(細川)三斎が将軍秀忠より拝領説・長岡斎記所持説などがあります。そのうち、長岡京記とは細川家臣で、慶長(一五九六)ごろ所持といいます…

【刀剣紹介】凌藤四郎

凌藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光の短刀です。鎬藤四郎とも書きます。もと阿波の細川家伝来でした。それを織田信長の臣・佐久間信盛が入手、それを信長へ 献上しました。天正九年(一五八一)七月二十七日、信長は三男信孝に与えました。その…

【刀剣紹介】芝吉光

芝吉光 加州前田家所蔵、粟田口吉光、九寸五分(約二八・八センチ)の短刀です。江戸の芝で銭五十文で買ってきた短刀を、無縁坂の業者が二百文で買いました。本阿弥光雲(温)がそれを五百文で買い、研ぎ上げたところ、粟田口吉光の正真で、銘は「大口」の「吉光…

【刀剣紹介】塩河藤四郎

塩河藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光の短刀です。江州佐和山城主・石田三成の臣・塩川志摩(佐助・喜左衛門)か、播州明石城主・塩川信濃守かの所持だったものです。その後、徳川将軍家蔵となったが、明暦三年(一六五七)の大火で焼失しました。…

【刀剣紹介】真田藤四郎

真田藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀の異名です。ただし古い写本にはこれを載せていません。信州松代城主・真田伊豆守信之所持でした。のち徳川将軍家蔵となり、明暦三年(一六五七)の大火で焼失しました。 刃長八寸一 分(約二四・五…

【刀剣紹介】こぶ屋藤四郎

こぶ屋藤四郎 千利休が切腹に用いた粟田口吉光の短刀です。もと加州金沢の商人こぶ屋所蔵でした。 刃長八寸二分五厘(約二五・〇センチ)、表裏に刀樋をかき流す。小杢目肌の地鉄に直刃を焼く。「吉光」と二字在銘。拵えは利休が本阿弥光徳に作らせたもの。赤…

【刀剣紹介】小乱れ藤四郎

小乱れ藤四郎 『享保名物帳』追記の部所載、粟田口吉光の短刀です。豊臣家の所蔵、大坂落城のさい焼失したのであろう、所在不明です。ただし本阿弥光徳のとった押形があります。 刃長七寸二分五厘(約二二・〇センチ)、平造り、浅い五の目乱れをやく。鋩子は…

【刀剣紹介】駒井藤四郎

駒井藤四郎 『享保名物帳』星野求与本の追記の部所載の短刀です。粟田口吉光の作です。駒井は豊臣秀吉に仕え、三万六千三百石を領していた駒井中務少輔重勝でしょう。重勝は関ヶ原の役で西軍に加わったため、領地を没収されました。それで愛刀吉光を手放した…

【刀剣紹介】車屋藤四郎

車屋藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載の短刀です。謡曲『車屋本』の編集者・車屋道悦の一族である車屋宗瑞旧蔵でした。のち筑後久留米城主・有馬家の所蔵となりました。有馬忠頼の遺物として、明暦元年(一六五五)七月、正宗の刀と吉光の脇差を将軍に献上し…

【刀剣紹介】北野藤四郎

北野藤四郎 『享保名物帳』追加之部所載の名物、京の粟田口吉光作の短刀です。これはもと京都の北野天満宮の籠め物だったので、北野藤四郎と名づけられました。もと織田信長の所蔵で、天正八年(一五八〇)二月二十二日、堺の津田宗及が京都に行ったとき、拝見…

【刀剣紹介】大森藤四郎

大森藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載の短刀です。もと京都の商人・大森宗屋所持でした。宗屋は江戸初頭、尺八の名人として知られた大森宗勲の一族でしょう。大坂の役の功を賞してであろう、徳川家康から福島正則が、長義の刀とともに拝領しました。正則が…

【刀剣紹介】足利飯塚藤四郎

足利飯塚藤四郎 『享保名物帳』焼失之部に記載されています。駿河大納言忠長の家来に、飯塚半次郎忠重という者がいました。それがこの短刀を愛蔵していて、いつも枕の下に入れていました。本刀を忠長が召し上げて、寛永二年(一六二五)二月五日、前将軍秀忠が…

【刀剣紹介】鍋島藤四郎

鍋島藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光作の短刀です。初め、肥前佐賀城主・鍋島直茂が所持していました。その子・信濃守勝茂のとき、埋忠家で採った粟田口吉光の短刀の押形に「なべしなの殿」と注記したものがあります。ただし、これは鍋島藤四郎ではあ…

【刀剣紹介】清水藤四郎

清水藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光の短刀です。本刀の出所について『名物帳』には「安芸国しみずより出る」または「芸州清水より出ル」とありますが、芸州に清水という著名な地名はありません。清水家のことでしょう。芸州藩の清水家は天正十年(一…

【刀剣紹介】増田藤四郎

増田藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光の短刀です。もと京都の八幡にいる鶉の愛好家が持っていました。その知人が飼っている優秀な鶉と短刀を交換しました。知人の親類に増田宗善という商人がいて、金二十枚で譲りうけました。それを越前北庄城主・松平…

【刀剣紹介】無銘藤四郎

無銘藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光極めの短刀です。堺の天王寺屋こと津田宗及が天正八年(一五八〇)二月二十五日、京都において織田信長から見せられた刀剣の中に「無銘藤四郎」の名があります。これは『名物帳』の無銘藤四郎と別物なのか、それと…

【刀剣紹介】後藤藤四郎

後藤藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光の短刀です。江戸幕府の金座・後藤庄三郎光次旧蔵といいますが、後藤庄右衛門旧蔵という異論もあります。元和(一六一五)の初めごろか、本阿弥家に代付けにきたとき、当主の光室は、表の切先の刃が焼き崩れている…

【刀剣紹介】親子藤四郎

親子藤四郎 『享保名物帳』焼失之部に所載されています。初め、堺の豪商・奈良屋甚左衛門入道宗悦が所持していました。その後、石黒甚右衛門が入手しました。甚右衛門は池田利隆の臣、馬術の達人として有名なほか、剣槍にも長じていました。 さらに、豊臣秀…

【刀剣紹介】朱銘藤四郎

朱銘藤四郎 『享保名物帳』所載、粟田口吉光の朱銘入り短刀です。もと大老・酒井雅楽頭忠世の所蔵でした。元禄十二年(一六九九)八月九日に、本刀のほか来国光・当麻の短刀、藤原定家の色紙、大燈国師の墨跡を将軍綱吉に献上し、金五千両を賜りました。翌十…

【刀剣紹介】岡山藤四郎

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…

【刀剣紹介】烏丸藤四郎

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…

【刀剣紹介】岩切藤四郎

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…

【刀剣紹介】大阪親身藤四郎

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…