日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】親子藤四郎

親子藤四郎

享保名物帳』焼失之部に所載されています。初め、堺の豪商・奈良屋甚左衛門入道宗悦が所持していました。その後、石黒甚右衛門が入手しました。甚右衛門は池田利隆の臣、馬術の達人として有名なほか、剣槍にも長じていました。

さらに、豊臣秀吉の所蔵になったので『本阿弥光徳刀絵図』に載せられました。元和元年(一六一五)五月七日、大阪落城のさい焼失しましたが、その焼け身は徳川秀忠に献上されました。

刃長は七寸五分(約二二・七センチ)とも七寸四分五厘(約二二・六センチ)ともいわれている。平造り、庵棟。刃文直刃、鋩子火炎風の小丸で、地景入る。中心は目釘孔三個、ただし二個は繋がる。「吉光」と二字銘。「吉」の上部は目釘孔にかかる。「親子」という刀号は、これに吉光作と伝えられる無銘の小刀が添っていたのによる。小刀は刃長五寸一分(約一五・五センチ)で刃文直刃、鋩子火炎。中心には目釘孔一個うがつ。小柄には桐紋が据わっていた。小柄・小刀は海中に落ちて失われた。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「親子藤四郎」

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