日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-24から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】香西長光

香西長光 『享保名物帳』所載の刀です。これはもと香西又六元長所持でした。元長は細川政元の部将で、政元には実子がなく、澄之・澄元という二人の養子がありました。澄元が政元の寵愛をうけ、かつ三好長輝の補佐をえて優勢なのに対抗して、香西元長は澄之を…

【刀剣紹介】江雪正宗

江雪正宗 『享保名物帳』焼失之部所載、相州正宗の刀です。「江雪左文字」と同じく、岡野江雪斎の旧蔵です。江雪斎が直接、徳川家康に献上したものでしょう。家康はこれを帯びて、関ヶ原・大坂の両役に出陣しました。寛永九年(一六三二)正月二十三日、二代将…

【刀剣紹介】上野郷

上野江 『享保名物帳』 焼失之部所載、郷義弘の刀です。宇都宮城主・本多上野介正純の旧蔵だったので、「上野江」とよびます。正純が元和八年(一六二二)十月、将軍秀忠の勘気をこうむり改易になったとき、闕所道具として幕府に没収され、将軍家蔵となりまし…

【刀剣紹介】幸寿丸

幸寿丸 摂津国河辺郡多田庄、現在の兵庫県宝塚市石切山麓の満願寺蔵の宝刀です。幸寿丸は新歌舞伎十八番の『仲光』、つまり『二代源氏誉身替』(河竹黙阿弥作)に出てくる藤原仲光の子です。多田満仲は八男・美女丸を仲山寺に入れたが、仏道修行をしないので怒…

【刀剣紹介】小池志津

小池志津 水戸徳川家の蔵刀です。同藩士の小池治太衛門政春が江戸の日暮里に行く途中、賊数人に囲まれました。政春は腰の志津を抜いて、賊三人を斬り一人に負傷させました。斬れ味が素晴らしいので、父の政永に贈りました。政永も数回試してみたが、業物に間…

【刀剣紹介】黒ん坊斬り景秀

黒ん坊斬り景秀 伊達政宗の愛刀です。もと伊達家の重臣石川家の伝来しました。政宗がこれを帯びて朝鮮へ遠征したさい、加藤清正がこれでもって牛ほどもある大男を試し斬りしたところ、土壇まで五、六寸(約一五・二~一八・二センチ)も切り込んだほど、大物切…

【刀剣紹介】黒田正宗

黒田正宗 『享保名物帳』焼失之部所載の短刀です。初め筑前福岡城主・黒田忠之入道宗英所持でした。ただし黒田家の家老所持という異説もあります。忠之がこれを駿河大納言忠長へ贈ると、忠長はさらに将軍家光に献上しました。家康へ献上という説は誤りです。…

【刀剣紹介】車屋藤四郎

車屋藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載の短刀です。謡曲『車屋本』の編集者・車屋道悦の一族である車屋宗瑞旧蔵でした。のち筑後久留米城主・有馬家の所蔵となりました。有馬忠頼の遺物として、明暦元年(一六五五)七月、正宗の刀と吉光の脇差を将軍に献上し…

【刀剣紹介】蜘蛛切り丸

蜘蛛切り丸 1.熱田神宮の亀王吉光の剣です。蜘蛛切り丸といい、刃長一尺七寸(約五一・五センチ)、刀身の中ほどに巴紋の金象嵌があります。無銘です。刃長については一尺七寸三分(約五三・〇センチ)ともいいます。亀王吉光というのは、中心の差し裏に「亀王丸…