縄無理之介の刀
武田信玄陛下の武将、那波(縄)無理之介の脇差です。「甲州城内ニ而義助作之 天正元年癸酉正月吉日 甲州武田四郎内 ナハムリノスケ」と在銘です。この脇差は、本阿弥忠敏著『古刀秘苑』にも所載されています。しかし、武田時代は躅ヶ崎館といい、城とは言わなかったし、銘振りにも疑問があります。
なお、二尺一寸(約六三・六センチ)ほどの無銘刀に、「甲州住人名和無理之助所持」、と切り付け銘があった、という記録もあるが、那波姓は上州那波郡(群馬県佐波郡)からの発祥で、名和とは書きません。
参考文献:日本刀大百科事典