日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-10-10から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】富田切り

富田切り 備前大宮盛継作の脇差の異名です。富田某を斬ったことからの異名であろうが、その経緯は不詳です。赤松則村が元弘三年(一三三三)の春、後醍醐天皇の挙兵に応じて、播磨国赤穂郡野磨郷梨原(兵庫県赤穂市梨ケ原)に陣を張ったとき、同国佐用郡佐用郷佐…

【刀剣紹介】友切丸

友切丸 名剣の名です。 1.源氏の重宝・髭切りの異名。 2.古剣書の所説 三条宗近の作という。 3.江戸城紅葉山宝蔵の刀 刃長二尺三寸(約六九・七センチ)、金拵え付き、源頼朝の佩刀という伝来になっていた。 4.戯曲の友切丸 曽我狂言は人気があったので、多く…

【刀剣紹介】虎御前

虎御前 刀の異名です。豊臣秀吉の智将・竹中半兵衛重治の差料でした。戦場に赴くときも、これを打刀のように腰にさしていました。備前元重の作です。虎御前とは虎御前山のことでしょう。滋賀県東浅井郡虎姫町にある山で、現在は虎姫山の名で通っています。浅…

【刀剣紹介】蜻蛉之太刀

蜻蛉之太刀 刀の異名です。紀州熊野の豪族・湯川家に伝来しました。同家は若州武田家の一族で、先祖は朝廷守護のため、三年ずつ在勤していたので、その時、朝廷より拝領というが、年代は不明です。刀銘も不明です。拵えに蜻蛉の文様があったための命名でしょ…

【刀剣紹介】永井正宗

永井正宗 相州正宗の作です。永井善左衛門道存はもと徳川譜代の臣だったが、小田原征伐のあと、蒲生家や上杉家に仕えたのち、浪人して武州深谷にいました。友人の京都所司代・板倉勝重は、徳川家康が上洛した機会に引き合わせ、帰参させようと計画し、道存を…

【刀剣紹介】長岡藤四郎

長岡藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀です。命名の由来については、長岡(細川)幽斎所持説・長岡(細川)三斎が将軍秀忠より拝領説・長岡斎記所持説などがあります。そのうち、長岡京記とは細川家臣で、慶長(一五九六)ごろ所持といいます…

【刀剣紹介】十握剣

十握剣 1.刃長が十握りある剣です。握は示指から小指までの幅、つまり一握りのことです。十握の長さは二尺五~六寸(約七五・八~七八・八センチ)ばかりです。十拳剣・十掬剣・十柄剣のともいいます。 2.素盞鳴尊の剣です。出雲で八岐大蛇を斬ったので、天羽…

【刀剣紹介】灯台切り

灯台切り 1.丹後宮津城主・京極家伝来、濃州久勝の刀です。もと京極高知の差料でした。それが高知の三男・高三に与えられ、以後、高直・高盛をへて、高盛の三男・高門に伝わったものです。高門は二千石の旗本で、享保六年(一七二一)没しました。 刃長二尺一…