日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-27から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】沢井正宗

沢井正宗 伊賀越の仇討ちで、沢井家伝来とされている相州正宗の刀です。この仇討ちの真相は、備前岡山藩士の河合又五郎がささいな遺恨から、寛永七年(一六三〇)七月、江戸において、同藩の渡辺数馬の弟・源太夫(小才治)を殺して出奔、旗本の阿部四郎五郎らの…

【刀剣紹介】真田藤四郎

真田藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光作の短刀の異名です。ただし古い写本にはこれを載せていません。信州松代城主・真田伊豆守信之所持でした。のち徳川将軍家蔵となり、明暦三年(一六五七)の大火で焼失しました。 刃長八寸一 分(約二四・五…

【刀剣紹介】猿正宗

猿正宗 猿から贈られた相州正宗の刀です。肥後熊本の飛脚が駿河の薩陀山の麓にさしかかった時、猿を海に引きずり込もうとしている大章魚を切って、猿を助けてやったところ、猿は飛脚の文箱を奪って、山中に逃げました。飛脚が猿を追って行くと、遥か彼方に猿…

【刀剣紹介】篠の雪

篠の雪 刀の切れ味のよさを讃える刀号です。笹の葉の上につもった雪は、払えばすぐ落ちるのを、刀で払えばすぐ胴体の切れ落ちることに例えたものです。篠の雪という異名のついた刀は多くあります。 1.池田勝入斎信輝の濃州関住兼定 これを「笹の露」とするの…

【刀剣紹介】笹の露

笹の露 刀の切れ味のよさを讃えた刀号です。笹の葉においた露は、払えばすぐ落ちるのを、刀で払えば胴体のすぐ切れ落ちるのに例えたものです。 1.濃州関の兼元の刀 「笹露 槇嶋監物所持之」と金象嵌があります。細川幽斎の臣・吉田吉助左衛門が、合戦のたび…

【刀剣紹介】笹穂槍

笹穂槍 穂が笹の葉の形をした幅広の槍です。横断面は平三角形のものと、菱形つまり両端のものとあります。長さは一尺(約三〇・三センチ)以下が多く、もっと長いものは柳穂と呼びます。形が短く幅広なものに椿葉形や鷹の羽形、元細く先の張ったものに鳥舌形や…

【刀剣紹介】篠造り

篠造り 1.足利家重代、備前一文字則宗の太刀の異名です。小竹造り、小竹切り、篠丸ともいいます。ほかに二つ銘という別称のあるのは、「備前国則宗」という銘の「備前」が朽ち、「則」のように見えるので、「則国則宗」つまり則国と則宗の合作と誤読したため…