【刀剣紹介】茶臼丸
茶臼丸
1.坂崎出羽守成正家の四刀の一です。茶坊主が茶をひいているところを、出羽守がこの脇差で、茶臼もろとも真二つに斬りわったことからの命名です。出羽守は千姫を奪う計画が発覚、元和二年(一六一六)自殺しました。本刀が坂崎家旧蔵と知らず、豊前国竜王城主・松平丹後守重直が入手しました。重直の孫・志摩守重栄の代になって、出羽守の孫・知足院(護持院)の住職が、重栄に知らせたので、初めて由来が分かりました。
刃長一尺三寸五分 (約四〇・九センチ)、表裏に樋。無銘。寛永二十年(一六四三)、相州行光として金二十枚の折紙つく。
2.肥後国上益城郡御舟城主・甲斐宗運所持という短刀です。明和(一七六四)ごろ、益城郡六田村(下益城郡城南町)の士民、佐左衛門・善左衛門所持でした。その前は隈庄町(下益城郡城南町隈庄)の西にある、賤民の家にありました。「国光」と二字銘です。
参考文献:日本刀大百科事典