四海波兼光
「四海波」と金象嵌のある備前長船兼光の刀です。
刃長二尺二寸八分五厘(約六 九・二センチ)、表裏に棒樋をかき流す。真の棟。地鉄は板目肌。刃文は逆乱 れ。鋩子は乱れ込み、先は尖る。大磨り上げ無銘。差し表に「四海波」、裏に「安藤伝十郎六位定知重代剣」と金象嵌入る。定知は定智とも書く。 二代将軍秀忠に仕え、大坂両度の陣に出征、千七百石を領しました。寛永十三年(一六三六)九月二日没、五十歳でした。
「四海波」という異名は、謡曲『高砂』の「四海波静かにて.........君の恵ぞ有難き」から採ったもので、君の恵みを感謝する意味で、用いたものでしょう。
参考文献:日本刀大百科事典