日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】肥後江

肥後江

享保名物帳』焼失之部所載、越中郷義弘作の太刀です。ただし無銘です。本阿弥光塔の取り次ぎで、肥後国熊本城主・加藤清正がが千五百貫で買ったものです。それで熊本江ともいいます。清正の娘(瑤泉院)は慶長八年(一六〇三)、徳川家康の命により、紀州徳川頼宣に入輿することになりました。その時、婚引き出として、清正はこれを頼宣に贈りました。頼宣はこれを家康に献上しました。明暦三年(一六五七)の江戸城炎上のさい焼失しました。

刃長二尺三寸四分(約七〇・九センチ)、金二百枚の折紙付き。

参考文献:日本刀大百科事典