日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-10から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】福島光忠

福島光忠 『享保名物帳』所載、備前長船光忠作の太刀です。もと福島正則の佩刀でした。正則の四男・正利が寛永元年(一六二四)七月十三日、父の遺物として将軍に献上した「大光忠」とは、本刀のことでしょう。『享保名物帳』編集のころ、常州茨城郡宍戸(茨…

【刀剣紹介】福島正宗

福島正宗 『享保名物帳』所載、相州正宗作の刀です。もと本阿弥光徳の弟・光淳所持で、七百貫の折紙付きでした。享保(一七一六)ごろは、代も千貫に上がり、浅野但馬守のもとにありました。ただし、但馬守は誤りで、安芸守吉長でなければなりません。 刃長…

【刀剣紹介】戸川来国次

戸川来国次 『享保名物帳』焼失之部所載、来国次作の短刀です。もと備前庭瀬城主・戸川肥後守逵安所持し、将軍秀忠へ献上した 、ともいいますが、寛永六年(一六二九)四月二十九日、加賀の前田利常の別邸に、前将軍秀忠が来たとき、利常が献上しているとこ…

【刀剣紹介】戸川志津

戸川志津 『享保名物帳』所載、濃州志津兼氏極めの短刀です。もと戸川肥後守逵安所持でした。逵安は初め宇喜多秀家に仕え、備前常山城主でしたが、慶長四年(一五九九)、老臣と結んで秀家に反抗したので、徳川家康の裁判で追放となりました。翌五年(一六〇…

【刀剣紹介】桑山光包

桑山光包 『享保名物帳』所載の中堂来光包の短刀です。もと江州大津の住人が所持していました。それを大和で二万六千余石を領していた桑山伊賀守元晴が、千五百貫で買い上げました。元晴の子・貞晴は寛永六年(一六二九)早世しました。嗣子がなかったので知…

【刀剣紹介】桑山保昌

桑山保昌 『享保名物帳』所載の大和国保昌貞吉の短刀です。もと大和で二万六千余石を領していた桑山伊賀守元晴の所蔵です。同家はその子・貞晴が寛永六年(一六二九)早世し、嗣子がなかったため知行を没収されました。それでこれを売りに出したと見え、金沢…

【刀剣紹介】桑山志津

桑山志津 『享保名物帳』所載の美濃国志津兼氏の刀です。もと大和において二万六千余石を領していた桑山伊賀守元晴の所蔵でした。同家は二代目貞晴が寛永六年(一六二九)早死にしたとき、嗣子がなかったので、封地を没収されました。それで遺族がこれを売り…