日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】桑山保昌

桑山保昌

享保名物帳』所載の大和国保昌貞吉の短刀です。もと大和で二万六千余石を領していた桑山伊賀守元晴の所蔵です。同家はその子・貞晴が寛永六年(一六二九)早世し、嗣子がなかったため知行を没収されました。それでこれを売りに出したと見え、金沢藩主・前田利常が入手しました。万治三年(一六六〇)五百貫の折紙がつきました。前田家に伝来、昭和六年に国宝に認定されましたが、戦後同家を出ました。

刃長八寸五分(約五・七センチ)、差し表に素剣、裏に菖蒲樋を彫る。沸えのからんだ柾目肌の地鉄に、小乱れまじり、ほつれの多い中直刃を焼く。中心に「高市郡住金吾藤貞吉 元亨二二年甲子十月十八日」と在銘。金吾とは左右衛門督の唐名である。貞吉は左衛門尉だったから、金吾校尉と書くのが正しい。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「桑山保昌」

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