日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】切刃貞宗

切刃貞宗

切刃造りになった相州貞宗の作です。『享保名物帳』所載の刀です。切り付け貞宗ともいわれています。五代将軍綱吉が元禄十年(一六九七)四月十一日、紀州徳川邸に臨んだとき、世子・綱教より備前真守の太刀とともに、本刀を献上しました。以後、将軍家の御物として伝来、昭和十一年に重要美術品指定、戦後、大徳川家を出て重要文化財に認定されました。折紙ははじめ三千貫または百五十枚だったが、のち二百枚にあがりました。 刃長は二尺三寸六分五厘(約七一・七センチ)。ただし、現在は二尺三寸五分(約七一・二センチ)。差し表に棒樋と腰だけの添え樋、裏に素剣・梵字を彫り、上は棒樋となる。横手から二寸五分(約七・六センチ)ほど下に、棟と棒樋のチリに切り込みがある。本刀を一名、切付け貞宗というのは、この切り込みに由来したものである。板目肌に地沸え厚くつき、刃文は大小の五の目乱れが入りまじり、小沸え出来。中心は大磨り上げで、目釘孔一つ、無銘である。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「切刃貞宗

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