日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】日光長光

日光長光

備前長船の二代長光の別称です。遠州浜松城主・堀尾忠氏は、慶長五年(一六〇〇)七 月、上杉討伐に向かう徳川家康に従い、野州小山にあったとき、妹の婿に家康の近臣を賜りたい、と願いでました。家康は相州小田原城主・大久保忠隣の次男・忠紀を指名し、両家の間で婚約になりました。関ヶ原の戦が終わったあと、忠能は上総国成戸、二万石の領主・石川康通の養子となり、忠氏の妹と結婚しました。そのとき徳川秀忠は、忠氏に月光一文字の刀を与えました。忠氏の嗣子・忠晴が、寛永十年(一六三三)九月三十日、三十五歳で早世、嗣子がなく、お家断絶になったとき、忠氏の遺言により、再び将軍家光に献上しました。明暦三年(一六五七)正月、江戸城炎上のさい焼失したとみえ、その後は消息不明です。

参考文献:日本刀大百科事典