日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2017-11-07から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】小松正宗

小松正宗 『享保名物帳』所載、相州正宗の短刀です。前田家三代利常が正宗とみて購入、本阿弥光甫に見せたところ、それに同意したので本阿弥本家の鑑定に出しました。本家では延寿国資との鑑定でしたので、折紙をつけず、小堀遠州に金粉でただ「無銘」とばか…

【刀剣紹介】大西左

大西左 『享保名物帳』所載の刀です。初め浅野但馬守長晟の家来・大西半太夫が所持していました。大磨り上げ無銘でしたので、本阿弥光徳が大左文字と極め、千貫の折紙をつけました。それを前田利家または利常が買い上げた、といいます。そして、それを本田上…

【刀剣紹介】前田正宗

前田正宗 『享保名物帳』所載、相州正宗極めの短刀です。初め、前田利家またはその嫡子・利長が所持していました。慶長六年(一六〇一)九月晦日、ニ代将軍秀忠の娘・珠姫が利長の弟・利常のもとに入輿したとき、相州小田原城主・大久保忠隣が送っていき、越…

【刀剣紹介】伊勢左文字

伊勢左文字 『享保名物帳』焼失之部に所載の刀です。刀号はもと伊勢兵部所持だったことによります。伊勢兵部少輔貞昌は薩州島津家の重臣でありますが、故実家・伊勢兵庫頭貞景の猶子になり、貞景の弟・与三郎貞興の家を継いだ人です。しかしそれは名目だけで…

【刀剣紹介】親子藤四郎

親子藤四郎 『享保名物帳』焼失之部に所載されています。初め、堺の豪商・奈良屋甚左衛門入道宗悦が所持していました。その後、石黒甚右衛門が入手しました。甚右衛門は池田利隆の臣、馬術の達人として有名なほか、剣槍にも長じていました。 さらに、豊臣秀…