桶丸写し
播州(兵庫県)赤松家重宝・桶丸の模作です。筑後(福岡県)久留米城主・有馬家は、赤松則村の子孫といい、粟田口国綱作の桶丸が伝来していました。
差し表に「元禄三庚午八月吉日 平安城助房」、裏に「桶丸行平作 於武江写之」と在銘、差し表に幡鉾と梵字、裏に三鈷柄の剣と梵字を彫った刀がある。これは桶丸を豊後国行平作とする古剣書の説と一致するが、彫物はとうてい行平の作とは思えない。ほかに、表に「桶丸英尊圀作」、裏に「于時慶応元冬 於総州関宿」、と在銘の脇差がある。これは脇差で、彫物もないから、赤松家の桶丸写しとは受取れない。
参考文献:日本刀大百科事典