【刀剣紹介】百足丸
百足丸
刀の異名です。
1.小田原北条氏の子孫で、のち幕臣となった北条家伝来です。
刃長二尺四寸七分(約七四・八センチ)。表裏に棒樋をかき、佩き表の樋のなかに、「大悲多門天」と彫る。刃文は五の目丁子乱れ。中心はうぶ。佩き表に「備州長船秀光」、裏に「明徳三年二月日」と在銘。
2.朝岡家伝来です。三河国幡豆郡富尾村(愛知県西尾市)の旧家・朝岡家の伝来です。その先祖は紀州の浪人で、剣術の達人でした。それが持参してきたものです。それから何代目かの娘が、そんな重定とは知らず、蜈蚣丸で竹を伐ろうとしたところ、蜈蚣がたくさん這い出してきました。その後、娘が中田付近に嫁入りしたとき、持参したまま、行方不明になりました。
参考文献:日本刀大百科事典