日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】微塵丸

微塵丸

曽我十郎祐成が仇討ちのときの佩刀です。建久四年(一一九三)五月、暇乞いのため箱根権現の別当、行実を訪ねたとき、行実が餞別として十郎に贈ったものです。十郎の討死後、源頼朝はこれを箱根権現に、再び寄進したものといい、刃長三尺三寸(約一〇〇センチ)、重ね四分(約一・二センチ)という豪刀で、元のほうに数か所、奮戦の痕を物語るかのように、切り込みがあります。作者は備前の長円、という伝来です。それは豊前の長円の誤りでなければなりません。

参考文献:日本刀大百科事典