日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】三日月一文字

三日月一文字

備前一文字の太刀です。寛正四年(一四六三)三月、細川成之らの軍勢が、将軍義政に追われた畠山義就の立てこもった、河内国錦部郡(大阪府南河内郡)の嶽山城を攻め落とした時、将軍義政は賞として、これを成之に与えました。成之はのちこれを将軍に献上しました。文明十九年(一四八七)四月、将軍義尚は黄疸(皮膚や体の組織が黄色になる症状)にかかりました。幸い全快したので、五月四日、平癒の祈臓をした宗源神道創始者吉田兼倶に、その賞として、三日月一文字の太刀と、紀新大夫行平の腰刀を与えました。以後、吉田家または吉田神社の重宝になったはずです。

参考文献:日本刀大百科事典