【刀剣紹介】灯台切り
灯台切り
1.丹後宮津城主・京極家伝来、濃州久勝の刀です。もと京極高知の差料でした。それが高知の三男・高三に与えられ、以後、高直・高盛をへて、高盛の三男・高門に伝わったものです。高門は二千石の旗本で、享保六年(一七二一)没しました。
刃長二尺一寸(約六三・六センチ)、刃文は直刃。「久勝」と二字銘。差し表に「燈臺斬」、裏に「始封丹佩刀也 後京極拾遺源高知公四代曽孫高門識」、と金象嵌入り。「始封丹」の丹は、丹後守高知のこと。明治維新後、同家をでて今村長賀所蔵。
2.肥前平戸城主・松浦家伝来、平戸住正則作の脇差です。「灯台切」という異名の由来は不詳です。
柄に白飯をきせ、黒糸で巻く。三所物は三星の紋をすえる。朱鞘で、啄木の下げ緒付く。
松浦静山が寛政十一年(一七九九)八月、日光の東照宮参拝のとき、小はこれ、大は備後三原正近の作でした。
参考文献:日本刀大百科事典