日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】釣り金切り

釣り金切り

蔀を釣り上げている部金を切ったことによる刀の号です。

1.大和の千手院金王の作。

奈良の興福寺の門跡所蔵です。興福寺の僧がある神社へ参籠のとき、この太刀を抜いて出たところ、蔀の釣り金に当たり、それを切って落としたといいます。

2.来国光の作。

来国光が比叡山の根本中堂で打った刀で、根本中堂の蔀の釣り金を切ったといいます。

3.来国行の作。

豊臣秀吉に本国寺より献上した時の礼状が現存しました。それに、「大物きれ之刀たづね候付、つりがねきり之刀給候。まんぞく存候」とあります。慶長三年(一五九八)、秀吉の遺物として、越前敦賀城主・大谷吉継が拝領しました。同五年(一六〇〇)、関ヶ原合戦で敗死したあと、伊予宇和島城主・ 伊達家に伝来しました。大正十三年六月、同家の売立に出ました。小此木信六郎が入手し、拵えをつけました。

参考文献:日本刀大百科事典