六千石の旗本・神保家伝来です。明治維新後、同家より取り出したものを福地源一郎入手、糸巻き太刀拵えをつけました。それから福住英勇・坂本金弥・細野次郎へ渡ります。細野家売立のさい、小泉策太郎が八百円で落札したが、当時、神保長光を訛って、貧乏長光という悪口も聞かれたので、それを気にしたのであろう、伊東巳代治伯爵の盆栽三十余鉢と交換しました。昭和十一年、伊東家の売立で六九八〇円で落札されました。
刃長二尺三寸五分(約七一・二センチ)、地鉄は小板目肌、横映り盛んに現れる。刃文は丁子乱れ、鋩子乱れ込んで、わずかに返る。中心はうぶ、目釘孔二つ。「長光」と二字銘。
参考文献:日本刀大百科事典