日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】篠剪り

篠剪り

大和国高取(奈良県高市郡高取町)の城主・植村家伝来、吉岡一文字の刀の異名です。笹剪りとも書きます。植村出羽守家存(家政)が徳川家康の父広忠、祖父清康らに敵対するものを討ち取ったことのある刀です。それが下総国古河城主・本多忠良の家に伝わっていたので、八代将軍吉宗はそれを召し上げ、享保十九年(一七三四)五月二十七日、家存の子孫の植村刑部少輔家包に与えました。その代わりとして、植村家にあった本多平八郎忠勝の佩刀で、中心に「本多平八郎忠勝」と金象嵌のある山城国了戒の刀を召しあげ、忠良に与えました。

参考文献:日本刀大百科事典