日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】赤池正宗

赤池正宗

もと勢州松坂城主・古田兵部少輔所持でした。金八十枚の折紙がついていたが、増上寺の所化寮が火事になった際、焼失しました。それは未の年のことというから、寛永八年(一六三一)か、同二十年(一六四三)のことでしょう。古田重恒が慶安元年(一六四八)死去すると、嗣子がいなかったため、お家断絶となりました。それで、本刀を売りに出したとみえ、元禄(一六八八)ころは、下野国壬生(栃木県下都賀郡壬生町)城主・鳥居伊賀守忠英の秘蔵となっていました。

刃長八寸二分(約二四・九センチ) 余、真の棟。差し表に腰樋と添え樋、裏に梵字を彫る。地鉄は本目肌、肌立つ。刃文は直刃、鋩子は小丸掃きかけ、沸え豊かにつく。中心はうぶ。ただし、目釘孔は四個。「正宗」と二字銘で、宗の字が赤池駐槌中の書体になっているため、赤池正宗と呼ばれた。

参考文献:日本刀大百科事典