日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

一文字

【偉人の刀剣】山岡鉄舟の刀

山岡鉄舟の刀 鉄舟は幕臣で、無刀流の開祖、のち子爵です。江戸開城に奔走した功を賞し、徳川慶喜からもらった名物・武蔵正宗は有名です。 無銘一文字極めの刀は、逆丁子乱れの寂しい、青江風の出来で、のち未亡人が、鉄舟創建の全生庵に寄贈、現存します。…

【刀剣紹介】乱れ髪一文字

乱れ髪一文字 安芸の厳島神社の宝刀です。 刃長一尺五寸四分(約四六・七センチ)、菖蒲造り、無銘。戦国期の小さ刀拵え付き。柄は金の打ち出し較、目貫は金無垢の竜、柄糸は茶色で平巻き、頭は角、縁は赤銅で樋形、鎺は一重の金で縦筋入る。栗形と返り角も金…

【刀剣紹介】三日月一文字

三日月一文字 備前一文字の太刀です。寛正四年(一四六三)三月、細川成之らの軍勢が、将軍義政に追われた畠山義就の立てこもった、河内国錦部郡(大阪府南河内郡)の嶽山城を攻め落とした時、将軍義政は賞として、これを成之に与えました。成之はのちこれを将軍…

【刀剣紹介】摺り一文字

摺り一文字 銘の「一」の字を、鑢の角で無造作にすってある一文字の刀です。則宗の作という説と、作者不明という説とがあります。遺作に徴すれば、後説が正しいです。大正三年(一五七五)、奥平信昌が長篠城を守り通した功を賞して、織田信長は差料の摺り一文…

【刀剣紹介】篠造り

篠造り 1.足利家重代、備前一文字則宗の太刀の異名です。小竹造り、小竹切り、篠丸ともいいます。ほかに二つ銘という別称のあるのは、「備前国則宗」という銘の「備前」が朽ち、「則」のように見えるので、「則国則宗」つまり則国と則宗の合作と誤読したため…

【刀剣紹介】甕割り一文字

甕割り一文字 伊東一刀斎景久が、御子神典膳(のち小野次郎右衛門忠明)に伝えた備前一文字の太刀です。瓶割りとも書きます。これを割り下坂とするのは誤りです。異名の由来については二説あります。 1.三島神社説 典膳はまだ伊豆の三島神社の床下で、浮浪生活…

【刀剣紹介】鐘切り

鐘切り 1.武蔵坊弁慶の太刀です。平安城有国の作です。 2.小多喜権兵衛の差料です。権兵衛は江戸初期、江戸の小田原町(中央区)にあった男伊達・小多喜組に属し、元来は商人です。その差料「鐘切り」は、濃州関の兼則の作です。これを兼乗とするのは誤りです…

【刀剣紹介】道誉一文字

道誉一文字 『享保名物帳』所載、備前一文字作の太刀です。佐々木道誉旧蔵でした。道誉は名を高氏といい、初め北条高時のち足利尊氏に仕え、近江国の守護となり、応安六 年(一三七三)没、六十八歳でした。この刀は天文(一五三二)のころ、江州の朽木谷にあり…

【刀剣紹介】千鳥一文字

千鳥一文字 『享保名物帳』所載、備前一文字の太刀です。豊臣秀吉が島津征伐よりの帰途、天正十五年七月三日、長州赤間ヶ関に出迎えた毛利輝元が、秀吉に贈ったものです。千鳥の太刀ともいいます。大坂城では一之箱に入れてありました。落城のとき焼失したと…

【刀剣紹介】荒波一文字

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…

【刀剣紹介】浅井一文字

日本の美、日本刀 まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表…