日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-11-06から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】野干剣

野干剣 大和の宗弘作の剣の異名です。これにはまだ焼刃はなかったが、夜の闇を照らして、明るくしました。野干とは狐のことで、尾を打って火を出す、つまり狐火の伝説があるから、これに基づく命名でしょう。宗弘は欽明天皇御宇、法清という逸年号時代の工と…

【刀剣紹介】守山国包

守山国包 もと奥州守山の領主・松平家蔵でした。今村長賀がこれを求め、その死後、土佐の山内家に納まったものです。 刃長二尺三寸八分(約七二・一センチ)弱。柾目肌美しく、彎れ気味の直刃に小乱れまじり。中心の棟方が磨られていて、「山城大掾藤原国包 寛…

【刀剣紹介】文殊の槍

文殊の槍 河内守包定作の槍です。包定は手掻包永の末葉で、延宝(一六七三)ごろの人です。大和から江戸へくだり、常州土浦藩主・土屋家のお抱え工となりました。麻布の御薬園の別荘にあった柳の井、実は善福寺の惣門のうちにあった柳の井、という名水をくんで…

【刀剣紹介】八重畳

八重畳 細川幽斎の差料です。「薩州住清左 大永三年八月日」と在銘です。田の畦にネコブキ、つまり藁で編んだ莚を八枚重ねて敷いた上に死体をのせ、米田是政に胴を試させたところ、庄まで切り通ったことからの命名です。三斎はこれを四男・立孝に与えました…

【刀剣紹介】薬王

薬王 粟田口国吉の太刀の異名です。正平六年(一三五一)十二月、駿河の薩多山合戦のとき、今川範国はこの刀をもって、兜を二つ重ねて被っている敵に切りつけ、二の鉢まで断ち割ったので、薬王という異名をつけました。二た鉢、つまり二た八は十六、薬は八と九…

【刀剣紹介】八雲正宗

八雲正宗 奥州仙台藩主・伊達家伝来、相州正宗極めの刀です。 刃長二尺三寸一分(約七〇・〇センチ)。表裏に棒樋をかく。無銘、「八雲」と金象嵌入り。安永九年(一七八〇)卯月三日付けで、金七百枚の折紙付く。そのとき本阿弥家で、これは千枚になるだろう、…