2018-10-04から1日間の記事一覧
太郎坊兼光 備前長船兼光の刀の異名です。 1.奥州二本松城主・丹羽家の伝来です。初め明智光秀が織田信長から拝領し、愛宕神社に奉納していたものを、豊臣秀吉が代わりの刀を納めて申し受け、愛宕山の天狗の名に因んで、太郎坊兼光と呼んでいました。一時、…
鷹の羽青江 上州沼田城主・土岐家蔵の備中青江貞次の太刀です。 刃文は丁子乱れで、逆がかった所もある。中心に、差し表「南無八幡大菩薩(丸に違い鷹の羽の紋)」、裏に「(丸に三の字の紋)貞次摩上 号辰丸」、と大きく切りつける。 丸に三の字の紋は、尾州の…
俵屋了戒 『享保名物帳』追記に所載、京の了戒の短刀です。もと絵師・俵屋宗達の差料でした。将軍秀忠に献上したのを、秀忠は大聖寺城主・前田利治に与えました。宗達の妻は本阿弥光悦の妻の姉だったので、本刀も光悦の眼鏡にかなった名品だったに違いません…
玉纏横刀 伊勢神宮の神宝として、二十年毎の遷宮式のとき、朝廷より進献することになっている太刀です。玉纏太刀ともいいます。 刀身は直刀、切刃造り。外装は、柄の長さ七寸(約二一・二センチ)、柄頭の冑金には、露緒を通す仆鐶がつき、露緒の先には金の鮒…
高瀬長光 上杉景勝愛蔵三十五腰の一です。 刃長二尺四二分(約七三・六センチ)、刃文は丁子乱れ、物打ちは小模様になる。銘は「長船長光 文永十一年十月廿五日」とある。古い黒鞘の打ち刀拵えがあり、鞘の鯉口に「日光」と墨書がある。 したがって『享保名物…
鷹匠切り 来国俊作、三尺一寸(約九三・九三センチ)の太刀です。足利将軍義教が鷹匠を、それで唐竹割りにしたが、体がしばしそのままで、手にした鷹も驚く様子がありませんでした。それで「鷹匠切り」と命名しました。その後、長州の大内持世が拝領し、家宝に…
太子屋国吉 『享保名物帳』所載、粟田口国吉作の短刀です。泉州堺の太子屋という酒屋旧蔵でした。 醍醐屋と書くのは誤りです。本阿弥光徳が百枚の折紙をつけました。徳川頼宣がまた駿府にいたころ、将軍秀忠に献上したものを、元和七年(一六二一)、徳川義直…