日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-10-02から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】瀬登剣

瀬登剣 1.京都府相楽郡精華町にある若王寺伝来の剣です。天国の作と伝えられています。 2.肥後国合志郡竹迫(熊本県菊池郡合志町)城主・合志家伝来、無銘の剣です。天正十三年(一五八五)、薩摩軍のため同城陥落のさい、合志伊勢守隆重の娘、わずか二歳になる…

【刀剣紹介】善鬼国綱

善鬼国綱 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口国綱の太刀です。 刃長二尺五寸五分(約七七・三センチ)。ただし二尺一寸八分(約六六・二センチ)とする異説もある。 聖護院門跡が大和の大峰山入りするとき、お伴をする善鬼とよばれる山伏が、これを佩用すること…

【刀剣紹介】瀬登丸

瀬登丸 奥州仙台藩主・伊達家蔵の短刀です。 刃長七寸三分(約二二・一センチ)、表に素剣、裏に梵字の彫物。無銘。 伊達家の重臣・秋保家の十四世・弾正真盛が、領地の陸前国名取郡秋保(宮城県)の覗という淵に、この短刀を取り落としました。深淵のためあきら…

【刀剣紹介】善鬼包平

善鬼包平 足利将軍家の蔵刀です。足利義視が応仁元年(一四六七)八月、応仁の乱を避けて伊勢にくだるとき、これと鬼神大夫行平・藤四郎吉光・小鍛治宗近・鳩作りなどを持っていきました。伝来不明であるが、異名は山伏のいう善鬼に由来するものでしょう。 参…

【刀剣紹介】千貫国光

千貫国光 『本阿弥光悦押形』所載、来国光の在銘刀です。異名は昔、千貫の値段がついたことからの命名です。ただし、これには同名異物があります。 1.『継平押形』(昭和三年刊)に併掲されている『本阿弥光悦押形』に出ている押形では、目釘孔が四個あり、刀…

【刀剣紹介】是非共是也

是非共是也 勢州(三重県)津城主・藤堂高虎の差料の銘です。 刃長二尺五寸二分(約七六・四センチ)、無銘ながら和泉守兼定の作と見えるもので、差し表に「是非共是也」、裏に「藤堂高虎帯之」と切る。和泉守兼定の刀は、切れ味抜群として有名だから、高虎も、…

【刀剣紹介】赤心報国刀

赤心報国刀 浅見綗斎の差料で、「赤心報国」の文字を彫りつけたものです。 刀身は伊賀守金道の作で、刃長二尺三寸(約六九・七センチ)、身幅一寸三分(約三・九センチ)、重ね四分(約一・二センチ)という豪刀で、棒樋をかく。赤銅の鎺の表に「赤心」、裏に「報…

【刀剣紹介】関ヶ原陣刀

関ヶ原陣刀 肥後熊本城主・細川忠興入道三斎が、慶長五年(一六〇〇)の関ヶ原合戦に佩いた半太刀拵えの大小です。 大は備前の長船春光、刃長二尺二寸(約六六・七センチ)、小は無銘で、平安城則光の鑑定、刃長一尺六寸九分五厘(約五一・四センチ)、大の柄は頭…

【刀剣紹介】青竜月影正宗

青竜月影正宗 宝暦十二年(一七六二)極月三日付け、代金五百枚の無銘極め、相州正宗の刀です。 刃長二尺二寸六分(約六八・五センチ)、表裏に樋をかく。奥州仙台の伊達家の江戸における御用達、柏屋次郎兵衛が伊達家に献上したもの。 参考文献:日本刀大百科事…

【刀剣紹介】摺り一文字

摺り一文字 銘の「一」の字を、鑢の角で無造作にすってある一文字の刀です。則宗の作という説と、作者不明という説とがあります。遺作に徴すれば、後説が正しいです。大正三年(一五七五)、奥平信昌が長篠城を守り通した功を賞して、織田信長は差料の摺り一文…

【刀剣紹介】鈴浪国綱

鈴浪国綱 公家の三条家伝来の太刀の異名です。粟田口国綱の作品です。腰刃が鈴浪、つまり急に高くなって、寄せてくる波に、似ているところからの命名でしょう。三条公頼が天文二十年(一五五一)、周防の大内義隆邸で、陶晴賢の乱に巻きこまれ、殺されたので、…