日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】鷲造りの太刀

鷲造りの太刀

源義経屋島の合戦のとき、大胡小橋太に与えた太刀です。これについては、金具や鞘の蒔絵に、鷺の図のあるもの、という説と、柄頭の金具が鷲の頭の形になったもの、という説とがあります。前説では、太刀の何々造りというのは、すべて文様から来ていることを根拠にしているが、鷲の図は太刀の文様には向きません。後説は、鷹匠の佩く太刀は鳥頭の太刀といって、柄頭の金具が鷹の頭の形になっているのを根拠にしています。南部家伝来の太刀にも、雉子の頭の形をした金具が柄頭についています。しかし、それらを鳥造り太刀とか、雉子造りの大刀とは呼ばない、という難点があって、今日のところ定説はありません。

参考文献:日本刀大百科事典