日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】夢切り

夢切り

上杉謙信が永禄七年(一五六四)、常陸佐竹義重に贈った備前三郎国宗の太刀です。義重が大田城の櫓で昼寝中、夢で蛇に呑まれようとするのを、この太刀で追い払いました。覚めてみると太刀が鞘からぬけ出し、戸に立てかかっていたので、異名を「抜け戸夢切り」と名付けました。のち子の義宣が二尺三寸(六九・七センチ)余に磨り上げました。「典厩割り国宗」と 同物とするのは明治になってからの推論です。

参考文献:日本刀大百科事典