日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】毘沙門形槍

毘沙門形槍

毘沙門天(多聞天)の持っている矛に似た十文字槍です。藤枝英一によれば、穂の長さは五寸五分(約一六・七センチ)、鎌の長さは三寸~三寸三分(約九・一~一〇・〇センチ)が標準で、横出した二本の鎌は、上向きになる、とするが、相州泰春の永禄十一年(一五六八)作のものは、鎌が水平に横出し、先端が同じ大きさに二つに岐れています。このように形の異なるのは、毘沙門天の矛の形そのものが一定していないからです。なお、矛でなく、宝杵を持った毘沙門天さえあります。

参考文献:日本刀大百科事典