日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】雑作横刀

雑作横刀

伊勢神宮の内宮の本宮の宝刀です。クサグサノタチとよみます。二十年ごとの遷宮のさい、玉纏横刀一柄・須加流横刀一柄とともに、雑作横刀二十柄が新調されます。

この様式は『延喜式』によれば、柄は桜の木で、長さ六寸五分(約一九・七センチ)、鞘は長さ二尺七寸(約八一・八センチ)、柄・鞘ともに黒漆をぬった上を、緑の布ならびに倭文で包み、柄は上下に鳥の羽根をあてる。 帯取りの七ツ金は小暈繝錦をもって包む。帯取り紐につける阿志須恵、つまり装飾用の紐は長さ三尺三寸(約九〇・九センチ)、幅一寸二分(約三・六センチ)。柄頭の兜金につける組み紐は、 長さ九尺(約二七二・七センチ)、幅二寸五分(約七・六センチ)、と決められていた。金具は普通の太刀と同様につくるが、鍵のないのが特異である。なお長暦二年(一〇三八)の『送官符』から、名称が金銅作り大刀と改まっている。

参考文献:日本刀大百科事典