猿正宗
猿から贈られた相州正宗の刀です。肥後熊本の飛脚が駿河の薩陀山の麓にさしかかった時、猿を海に引きずり込もうとしている大章魚を切って、猿を助けてやったところ、猿は飛脚の文箱を奪って、山中に逃げました。飛脚が猿を追って行くと、遥か彼方に猿が待っていて、文箱を返した上、長い薦包みをくれました。江戸に持って行き調べてみると、相州正宗の在銘でした。研ぎ上げて主君の細川家に献上しました。同家では「猿正宗」と名づけ、家宝にしたといいます。ただし、これは創作で、同家にそんな刀はありませんでした。
参考文献：日本刀大百科事典
