日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】小池志津

小池志津

水戸徳川家の蔵刀です。同藩士の小池治太衛門政春が江戸の日暮里に行く途中、賊数人に囲まれました。政春は腰の志津を抜いて、賊三人を斬り一人に負傷させました。斬れ味が素晴らしいので、父の政永に贈りました。政永も数回試してみたが、業物に間違いありませんでした。その子孫にあたる小池水之介政修は、これを文化十二年(一八一五)、藩主・治紀に献上しました。藩主はこれに対して青江の刀と白銀若干を与えました。

刃長一尺九寸二分五厘(約五八・三センチ)、表裏に棒樋をかく。大磨上げ無銘だが、金百五十枚の折紙が付いていた。大正のころは、水戸の富岡三造陸軍少将が愛蔵していた。

参考文献:日本刀大百科事典