【刀剣紹介】木下正宗
木下正宗
徳川将軍家旧蔵の太刀です。豊臣秀吉が徳川秀忠に与えたというが、その後の移動は不明です。大坂の筒崎屋惣右衛門という商家が罪をえて、取り潰しになったとき、闕所品として没収、天保七年(一八三六)十月二十五日、将軍家の所蔵となりました。五千貫の折紙付きです。 ただし、明治二年調べの将軍家『御腰物台帳』には載っていません。『本阿弥光悦押形』では、「宗」の「示」が、「未」になっています。明治になってから、本阿弥家以外の鑑識家は、偽銘と見ていたが、昭和十年、徳川家正公爵の名で重要美術品になっています。
刃長二尺五寸九分(約七八・五センチ)。中心はうぶ、目釘孔の下に「正宗」と二字銘。中心先の棟方が円く欠けている。
参考文献:日本刀大百科事典