日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】大内正宗

大内正宗

旧所持者については、大内苗字の人としたも のや、大内義隆か、と推測したものがあるが、要するに判然としません。それを堺の商人・柏屋宗悦が持っていたので、前田利家が金九枚で買い取って、関白秀次に献上しました。本刀を木村常陸介が拝領して、豊臣秀吉に献上しました。利家が再び本刀を拝領し、宇喜多秀家に贈りました。秀家が本刀を毛利輝元に進上すると、榊原式部大輔康政に金三十枚で譲ってしまいました。 本刀を徳川家に献上したとみえ、前将軍秀忠が寛永六年(一六二九)九月二日、大老土井利勝の邸に臨んだとき、本刀を与えました。利勝が死んで、その子・利隆が正保元年(一六四四)九月九日、襲封のさい再び将軍家綱に献上しました。惜しくも明暦三年(一六五七)の振り袖火事で焼けてしまいました。

刃長九寸一分(約二七・六センチ)、表裏に刀樋と添え樋がかいてあった。無銘。三百枚の折紙がついていた。

参考文献:日本刀大百科事典