日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】千鳥一文字

千鳥一文字

享保名物帳』所載、備前一文字の太刀です。豊臣秀吉が島津征伐よりの帰途、天正十五年七月三日、長州赤間ヶ関に出迎えた毛利輝元が、秀吉に贈ったものです。千鳥の太刀ともいいます。大坂城では一之箱に入れてありました。落城のとき焼失したとみえ、以後、消息不明です。

刃長には二尺一寸一分(約六三・九センチ)説、一尺一寸四分(約六四・九センチ)説、一尺一寸五分(約六五・二センチ)説とがある。刃文はもと小乱れ、先は大房の丁子乱れとなり、鎬にかかる。鋩子はすぐ、わずかに返る。中心は磨り上げ、中心先は切り。目釘孔は初め二個、のち三個となる。銘には金象嵌で「一」とあった。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「千鳥一文字」

f:id:seiya3939:20180911154023j:plain