日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】大垣正宗

大垣正宗

享保名物帳』でも、異本にのみ記載されているものです。「由緒不知」となっていますが、上杉家の記録によれば、大垣城主・戸田氏鉄が将軍秀忠に献上したもののため、この刀号が付せられました。金十五枚の折紙は、戸田家時代に付いたものでしょう。上杉景勝の子・弾正少弼定勝が、元和九年(一六二三)に 元服したとき、将軍秀忠より拝領しました。 明治成辰の役に、当時の藩主・上杉茂憲は、初め官軍に抗しましたので、官位を削られましたが、のちこれを帯びて鶴岡城攻めに参加した功により、襲封を許されました。現在は同家を出ています。

刃長は二尺一寸一分(約六三・九センチ)で、表裏に二筋樋をかく。地鉄は小板目、柾目もまじる。刃文は細直刃、刃縁ほつれ、二重刃も見える。中心は大磨り上げ、目釘孔二個、無銘。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「大垣正宗」

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