日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】無銘藤四郎

 無銘藤四郎

『享保名物帳』所載、粟田口吉光極めの短刀です。堺の天王寺屋こと津田宗及が天正八年(一五八〇)二月二十五日、京都において織田信長から見せられた刀剣の中に「無銘藤四郎」の名があります。これは『名物帳』の無銘藤四郎と別物なのか、それとも生駒家に移ってから、来国俊の極めに変わったのか明らかではありません。いずれにせよ、讃州高松城主・生駒正俊所持のとき、本阿弥光徳が粟田口吉光に極めなおしました。正俊が元和七年(一六二一)六月五日死去すると、その遺物として嗣子・高俊は本刀を将軍秀忠に献上しました。秀忠が上洛の帰路、名古屋城に立ち寄り、元和九年(一六二三)閏八月二十四日、これを藩主・徳川義直に贈りました。尾州家の記録には、徳川家康の差料で、家康から義直が拝領、とありますがそれは誤りです。なお、秀忠が金沢藩主・前田利長邸に臨んだ時、本刀を利長に与えたともいいますが、それは江戸親身藤四郎の誤りです。尾張家に伝来しました。
刃長は八寸七分五厘(約二六・五センチ)で、平造り、真の棟。地鉄は小板目肌よく見え、地沸えつき、棒映りがある。刃文は直刃に小足入り。鋩子は小丸が掃きかけ、反りは深い。中心はうぶ。目釘孔二個。

参考文献:日本刀大百科事典
写真:刀剣名物帳「無銘藤四郎

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