日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】敦賀正宗

敦賀正宗

『享保名物帳』所載、相州正宗作の刀です。もと越前敦賀城主・大谷吉継(吉隆)が所持していました。 吉継が関ケ原合戦で敗死したあと敦賀城主となった松平秀康が敦賀で入 手しました。秀康の嫡孫・光長が越後高田城主のころ、大村加トは本刀を拝見し、その図を描き「比押形ツルガ正宗ナリ。観世正宗ニ多ク劣不モノナリ。去ナガラ油ノヨリノ玉ナシ。是劣ナリ。然ドモニエハ観世正宗ヨリ多シ。是モ越後光長公ノ家ニアリ。スリ上ゲ物ナリ」と注記しています。
光長は有名な越後騒動によって
改易となり、のち許されたが、元禄十年(一六九七)隠居しました。それで敦賀正宗も手放さざるを得なくなったとみえ、元禄十五年(一七〇二)に、薩摩の島津綱貴が江戸で買い上げました。以後、同家に伝来していましたが、昭和三年五月、同家の売立で、三千六百円で落札されました。本阿弥家の七千貫の折紙付 きです。戦後は所在不明です。
刃長は二尺三寸三分(約七〇・六センチ)で、地鉄は板目肌に柾目まじり、鍛え割れもあるが、地沸えよくつく。刃文は沸え出来の五の目乱れ。はばきから二寸(約六センチ)ほど上から、乱れは大きくなるが先ではまた小振りになる。鋩子はすぐ、尖り心の小丸。中心は大磨り上げ、無銘。目釘孔二個。

参考文献:日本刀大百科事典