日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】朱銘藤四郎

朱銘藤四郎

享保名物帳』所載、粟田口吉光の朱銘入り短刀です。もと大老・酒井雅楽頭忠世の所蔵でした。元禄十二年(一六九九)八月九日に、本刀のほか来国光・当麻の短刀、藤原定家の色紙、大燈国師の墨跡を将軍綱吉に献上し、金五千両を賜りました。翌十三年(一七〇〇)九月二十五日、綱吉が水戸綱条邸に行ったとき、綱条は本刀とともに備前国宗の太刀・備前長光の刀を拝領しました。享保三年(一七一八)閏十月十三日、水戸宗堯は父・綱条の遺物として、本刀を将軍吉宗に献上しました。堀田相模守が献上したというのは誤りです。

刃長は八寸(約二四・二センチ)または七寸九分(約二七・九センチ)で、表裏に護摩箸を彫る。刃文は直刃、鋩子小丸。中心はうぶ、目釘孔一個。「藤四郎」という朱銘が入っていた。

戦後、所在不明です。

参考文献:日本刀大百科事典

写真:刀剣名物帳「朱銘藤四郎」

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