日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

【刀剣紹介】池田来国光

日本の美、日本刀

まだ腰に刀を差していた時代、日本刀は自分の身を守るためだけではなく拵えの装いや粋な刀装具を周囲に見せ、その刀を差す武士の品格を表していました。また、現代のように自身を彩るものは多くなく、腰に差す刀剣でその人のお洒落さをも表していたといいます。そんな千差万別ある日本刀を紹介していきます。

池田来国光

『享保名物帳』所載の短刀です。もと播州姫路城主・池田三左衛門輝政が所持していました。その後の経歴は不明ですが万治三年(一六六〇)に加賀の前田家から本阿弥家へ鑑定にきて、千五百貫の折紙がつきました。さらに延宝六年(一六七八)再来したので三千貫に倍増されました。ただし、前田家の記録には「百五拾枚折紙」とあり、かつ「御献上御用意御拵有」とあります。いつでも将軍へ献上できるように葵紋付きの拵えが用意されていたのでしょう。なお、文化元年(一八〇四)には本阿弥喜三次、同九年(一八一二)には本阿弥重郎左衛門がお手入れをして献上の機会を待っていましたが、ついにその機会はなく、戦後まで同家に伝来し現在は同家を出て、重要文化財に指定されています。
刃長は八寸七分(約二六・四センチ)で鵜の首造り、薙刀樋に添え樋。小杢目肌、地沸えつむ。刃文は彎れ風の浅い五の目乱れ。「来国光」と三字銘。ただし「来」の字は目釘孔にかかる。

 

参考文献:日本刀大百科事典
写真:刀剣名物帳「池田来国光」

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