日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-11-08から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】涌泉

涌泉 中山義弘作の刀の異名です。大野基が義弘に至急、一刀を打ってくれ、と頼みました。たまたま義弘は掘貫き井戸を掘っている最中だったので、費用が足りないようだから、出して下さるなら、至急打ち上げましょう、と言いました。費用を出してくれたので、…

【刀剣紹介】鑓切り

鑓切り 天文(一五三二)のころ、越前一乗谷城主・朝倉孝景の弟、九郎左衛門景紀所持、来国行作の太刀です。 刃文は広直刃。うぶ中心で、佩き表に「国行(花押)」、と在銘。異名は槍の柄を切り落としたことに、因んだものであろう。 参考文献:日本刀大百科事典

【刀剣紹介】八幡左文字

八幡左文字 豊前中津城主奥平家が某年、徳川将軍よりの拝領刀です。無銘極めの筑前左文字の作です。 拵えの鞘に葵紋の蒔絵。刃長二尺三寸五分(約七一・二センチ)。奥平家の記録には、山城国八幡山つまり男山の麓での鍛造とあるが、それは誤り。男山八幡宮よ…

【刀剣紹介】有性剣

有性剣 神秘な性能を有する刀です。多くの刀のなかから、有性剣を選び出すには、左の中指と無名指の爪の甲を、母指の腹をもって抑え、小指と示指を立てたまま、心のなかで、「唵 有性剣者見ソワカ」、と五回唱えると、有性剣は星がまたたくような光を放つと…

【刀剣紹介】鞲切り

鞲切り 朝倉氏景の太刀の異名です。氏景は文和四年(一三五五)二月十五日、わずか十七歳で、京都の東寺の南大門のまえで、南朝方と闘い、相州貞宗の太刀をもって、敵兵の鞲つまり弓をひく場合の革の手袋もろとも、切って落としました。その切れ味を賞して、中…

【刀剣紹介】矢目行光

矢目行光 『享保名物帳』追記の部所載、「行光」と二字在銘です。徳川将軍から紀州家拝領です。慶安二年(一六四九)、百枚の折紙付きです。拝領はそのころでしょう。後年、紀州家より出羽秋田城主・佐竹家へ贈りました。その時期は不明であるが、佐竹義処の長…