日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-10-15から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】抜け国吉

抜け国吉 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口国吉作の短刀です。貫け国吉ともいいます。足利将軍義教が赤松満祐に殺された時、帯びていたものです。嘉吉元年(一四四一)六月二十四日、赤松邸に出かける朝、義教の腰刀が鞘走ったので、本阿弥本光になおさせま…

【刀剣紹介】抜丸

抜丸 平家重宝とされた太刀です。その作者については、伯耆の大原真守説が最も多く、次は伯州武保説や、古備前助包説で、そのほか伯州安綱説、伯州日乗説、奥州文寿説などがあります。このうち、古備前助包説は「抜き打ち丸」との混同でしょう。抽丸とも書き…

【刀剣紹介】濡れ衣

濡れ衣 刀の異名です。 1.大口屋暁雨の差料 暁雨は江戸中期、侠客として、また十八大通の一人として有名な札差です。雨降りの夜、蔵前から吉原へ通う途中、聖天町(台東区浅草七丁目)の西方寺(俗称 土手の道哲)付近の土手で、鉦をならし念仏を唱えている道心…

【刀剣紹介】猫丸

猫丸 刀の異名です。抜身で立てかけてあったのに、鼠を追ってきた猫が衝突、真っ二つになったための命名といいます。作者については、菅原道真の作とする説が多いが、河内有成説・河内有氏説・千手院道明説などもあります。しかし、この太刀は幕末まで京都の…

【刀剣紹介】祢々切り

祢々切り 日光・二荒山神社の蔵刀の異名です。祢々は日光付近の方言で、河童のことです。昔、この刀が自ら抜け出して、祢々を斬った、という伝説のある大太刀です。 刃長七尺一寸(約二一五・一五センチ)余、鵜の首造り。地鉄は板目肌、刃文は小乱れ、無銘。…

【刀剣紹介】念仏刀

念仏刀 刀の異名です。江州の浅井長政の家臣・百々内蔵助所持でした。罪人を試し斬りしたら、切り口が吸いついて離れず、念仏を高らかに唱えたあと、ようやく二つに分かれたので、念仏刀という異名がつきました。 参考文献:日本刀大百科事典

【刀剣紹介】野狐丸

野狐丸 刀の異名です。出羽の豪族で、由利十二党の一である矢島家伝来でした。先祖の矢島清兵衛が二十四、五歳のころ、秋田郡岩城(秋田市)において、狐に化かされ、周囲が見る見る川になった時、腰の古備前友成が、かってに抜け出し、白狐の首を切り落として…