日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-10-13から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】楠竜正宗

楠竜正宗 楠正成の差料との伝説ある短刀です。『集古十種』『刀剣図考』所載です。本阿弥光常の七千貫の折紙付きです。 刃長九寸四分(約二八・五センチ)、反り一分(約〇・三セ ンチ)、平造り、真の棟。差し表に梵字と素剣、裏に梵字と護摩箸を彫る。地鉄は杢…

【刀剣紹介】新納光世

新納光世 新納武蔵守忠元の佩刀です。忠元は薩州島津家の勇将で、鬼武蔵といわれました。慶長十五年(一六一〇)没、八十五歳でした。新納家より神社に奉納してあったものが、明治十年の役のとき持ち出され、鹿児島市内の貴島某が入手しました。それを西郷従道…

【刀剣紹介】西方江

西方江 『享保名物帳』焼失之部所載、越中郷義弘作の刀です。これはもと刀剣の大家だった三好下野入道釣閑斎所持でした。下野入道は永禄十二年(一五六九)、京都六条の戦に敗れ、失脚しました。それでこれを、泉州堺の西方という豪商に売りました。当時、堺で…

【刀剣紹介】日月護身剣

日月護身剣 天皇の宝剣の名です。三種の神器につぐ重器とされていた大刀契のうち、三公闘戦剣と並んで重視された御剣です。百済から神功皇后に貢献したもの、と伝えられるもので、後の昼御座剣にあたります。 刃長二尺二寸(約六四・二センチ)、左側 に日・南…

【刀剣紹介】にっかり長光

にっかり長光 刀の異名です。備前岡山城主・宇喜多秀家の足軽が、夜道を歩いていると、火炎を背におった仏様が、にっこり笑いながら近づいてきました。化物と直感した足軽は、備前長光の一刀を抜いて、切りつけました。翌日そこに行ってみると、路傍の石の不…

【刀剣紹介】日光長光

日光長光 備前長船の二代長光の別称です。遠州浜松城主・堀尾忠氏は、慶長五年(一六〇〇)七 月、上杉討伐に向かう徳川家康に従い、野州小山にあったとき、妹の婿に家康の近臣を賜りたい、と願いでました。家康は相州小田原城主・大久保忠隣の次男・忠紀を指…

【刀剣紹介】入道拗切り

入道拗切り 筑前左文字の刀の異名です。もと筑前福岡藩主・黒田家で、入道した者をねじ斬りしたからでしょう。「入道拗切り」という異名のついた刀を、若州小浜城主・酒井忠勝に贈りました。孫の忠隆が差料にするため、試させたところ、見事に一ノ胴を落とし…

【刀剣紹介】韮山則重

韮山則重 出羽国山形城主・最上家親が、大坂冬の陣のさい江戸の留守役を命じられ、手落ちのなかったことを賞し、翌元和元年(一六一五)、将軍より下賜された則重の刀の異名です。最上家はその子・義後のとき、改易になったので、本刀も同家を出たことでしょう…