日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-29から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】新髭切り

新髭切り 1.芸州の厳島神社蔵刀、吉川元長寄進です。 刃長二尺三寸六分(約七一・五センチ)、刃文直刃小乱れまじり。「包次」と二字銘。打ち刀拵え付き。ただし、柄は黒塗りの出し鮫。鞘は錦包み黒塗り。由来は不明。 2.奥州の舞草行重の太刀、源氏の重宝です…

【刀剣紹介】実休光忠

実休光忠 『享保名物帳』燒失之部所載、三好之康入道実休所持、備前光忠の太刀です。もと江州甲賀郡三雲城主・三雲对馬守定持所持でした。のち愛刀家の三好義賢入道実休が入手、同家では三雲光忠と呼んでいました。実休が永禄三年(一五六〇)三月五日、泉州南…

【刀剣紹介】神保長光

神保長光 六千石の旗本・神保家伝来です。明治維新後、同家より取り出したものを福地源一郎入手、糸巻き太刀拵えをつけました。それから福住英勇・坂本金弥・細野次郎へ渡ります。細野家売立のさい、小泉策太郎が八百円で落札したが、当時、神保長光を訛って…

【刀剣紹介】水神切り兼光

水神切り兼光 上杉家伝来、備前長船兼光の太刀です。水神を切った、という伝説の詳細は不明です。 刃長二尺三寸一分(約七〇・〇センチ)、平造り、丸棟という珍品。佩き表に梵字、裏に三鈷柄の剣の彫物。小板目肌に映りが出る。刃文は中直刃に小乱れ交じり。…

【刀剣紹介】菖蒲正宗

菖蒲正宗 『享保名物帳』焼失之部所載、相州正宗極めの刀です。もと埜田という浪人所持、それを徳川家康に献上したため、永代知行を拝領しました。家康はそれを埋忠明寿・同寿斎に磨り上げさせ、関ヶ原合戦にも佩いて行きました。替え鞘をいくつも作らせ、不…

【刀剣紹介】凌藤四郎

凌藤四郎 『享保名物帳』焼失之部所載、粟田口吉光の短刀です。鎬藤四郎とも書きます。もと阿波の細川家伝来でした。それを織田信長の臣・佐久間信盛が入手、それを信長へ 献上しました。天正九年(一五八一)七月二十七日、信長は三男信孝に与えました。その…

【刀剣紹介】城和泉正宗

城和泉正宗 奥州津軽家伝来、相州正宗極めの刀です。津軽正宗ともいいます。 刃長二尺三寸三分五厘 (約七〇・七センチ)、板目肌に地沸えよくつく。刃文は彎れ調に小乱れ交じり足・葉・金筋入る。鋩子掃き掛け、焼き詰め風。中心は大磨り上げ、差し表に「城和…

【刀剣紹介】芝吉光

芝吉光 加州前田家所蔵、粟田口吉光、九寸五分(約二八・八センチ)の短刀です。江戸の芝で銭五十文で買ってきた短刀を、無縁坂の業者が二百文で買いました。本阿弥光雲(温)がそれを五百文で買い、研ぎ上げたところ、粟田口吉光の正真で、銘は「大口」の「吉光…

【刀剣紹介】注連丸行平

注連丸行平 『享保名物帳』焼失之部所載、豊後行平の太刀です。 刃長二尺七寸三分五厘(約八二・九センチ)。刀号は、もと神前に注連縄のように、横に懸けてあったことによる。甲府宰相綱重所持、綱重は江戸城中にいたので、明暦三年(一六五七) の江戸城炎上の…

【刀剣紹介】七星

七星 刀の異名です。佐久間象山の嫡子の通称は慶之助、諱は恪です。父象山が元治元年(一八六四)七月十一日、京都において暗殺されると、父の仇を捜すため、母瑞枝と伯父・勝海舟が相談し、三浦慶之助と変名し、近藤勇の新撰組に入れました。七条道場の前で、…