日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-25から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】小林国行

小林国行 小林上野守の佩刀、来国行の作です。明徳二年(一三九一)十二月三十日、京都の内野の合戦で、小林上野守(修理亮重長)は、これで、大内左京大夫義弘の左手を二か所斬ったが、逆に薙刀を内かぶとに突っ込まれ、さらに片股斬り落とされ討死にしました。…

【刀剣紹介】小子柏

小子柏 『本阿弥光悦押形』所載、大和手掻包永の太刀です。小子柏は児手柏と同義であろうが、『享保名物帳』の児手柏包永とは同名異物です。 佩き表は五の目乱れで、鎬を越す大乱れがまじり、一枚風に返りが長く、かつ刃中に飛び焼きが大小二個ある。裏は直…

【刀剣紹介】小螺丸

小螺丸 越中宇多友次作の太刀の異名です。異名はおそらく柄の目貫が螺貝の図だったのに因んだものでしょう。 北海道松前の藩主になった松前慶広は、もと蛎崎姓を名乗り、羽州檜山(秋田県能代市)にいて、安東愛季に仕えていました。政敵だった比内(秋田県北秋…

【刀剣紹介】小伝多

小伝多 筑後三池の光世の作です。 刃長二尺三分(約六二・五センチ)の小太刀であるため、二尺一寸七分(約六五・八センチ)の「大伝多」と対比し、「小伝多」とよぶ。表裏に太い棒樋と添え樋をかく。刃文は直刃で、ところどころ、五の目がかった浅い乱れがまじ…

【刀剣紹介】釬切り景依

釬切り景依 筑後国久留米城主・有馬家伝来、古備前景依の太刀です。 刃長二尺六寸三分五厘(約七九・八センチ)、地鉄は板目肌に地沸えつき、映りもでる。刃文は小乱れ小丁子まじり、砂流しかかる。鋩子は小丸、わずかに返る。中心はうぶ、大きく「景依」と二…

【刀剣紹介】小反り兼光

小反り兼光 上杉謙信愛刀の一つです。上杉景勝三十五腰の一つです。武田家の安間彦六を斃したとの伝説は誤伝です。 刃長二尺四寸四分(約七三・九センチ)。銘に「備前国長船住 享禄二年己丑年兼光作 永禄七年甲子年正月十一日 藤原輝虎三寸上之」とある。享禄…

【刀剣紹介】小尻通し新藤五

小尻通し新藤五 『享保名物帳』焼失之部所載の脇差です。もと大坂城にあって「一之箱」に入れてあったほど重宝視されていました。おそらく関東管領・足利家重代の「鐺通し」と同一物でしょう。本阿弥光徳が採ったこれの押形を、埋忠寿斎が元和元年(一六一五)…

【刀剣紹介】克明刀

克明刀 江戸の小笠原長旨作刀の号です。 刃長二尺一寸(約六三・六センチ)。「小笠原庄斎入道長旨 以鉄丸錬之 大袈裟大脇毛二刃切平土迄 山野氏弟子大沢新助斬之 是昌(花押)。克明刀 誠透金石 威厳霜雪 義気凛然 忠心明徹 林整宇銘(花押)」と在銘。克明刀は勝…

【刀剣紹介】小国行

小国行 『享保名物帳』焼失之部所載の太刀です。もと豊臣家の蔵刀で、二之箱に入れてありました。「小」国行というのは、同家には「新身国行」のような、もっと長い来国行の太刀があったので、それに対比しての称呼でしょう。 刃長は二尺五寸(約七五・八セン…

【刀剣紹介】小吉江

小吉江 『享保名物帳』追記之部にある刀です。長さ不詳。小吉は岐阜中納言、つまり織田信長の孫・秀信の童名といいます。しかし秀信の童名は三法師です。その弟の秀則が「吉」と呼ばれていたから、秀則の誤りでしょう。秀則は侍従になったが、剃髪したので伝…

【刀剣紹介】小包平

小包平 古備前包平の作です。 刃長二尺九寸四分(約八九・一センチ)の「大包平」と対比し、一尺八寸四分(約五五・八センチ)、または二尺一寸五分(約六五・一センチ)と短いため、「小包平」とよばれた。もと泉州堺の豪商・樋口屋の所蔵。刃文は浅い大彎れ刃。…

【刀剣紹介】小鍛治薙刀

小鍛治薙刀 京の三条小鍛冶宗近の作った薙刀です。 1.徳川将軍家の小薙刀 源義経の安・静御前所持といわれもので、作者を小鍛治宗親としたものもあるが、それは小鍛冶宗近の誤記と見るべきでしょう。三代将軍家光がそれでもって雁を、えいっと横に払ったとこ…

【刀剣紹介】降伏兼光

降伏兼光 美濃国郡上の豪族・東常縁家重代の脇差です。かつては刀剣の大家・木本宗剛が秘蔵、永正(一五〇四)ごろは、美濃の部将・斎藤基泰所持でした。 刃長一尺二分(約三〇・九センチ)、差し裏に、降り竜が玉を呑む彫物があった。銘は差し表に「備州長船兼…