日本刀の世界 ~日本の様式美~

日本の伝統文化である日本刀の刀工・刀鍛冶、名刀、刀剣書籍など

2018-09-14から1日間の記事一覧

【刀剣紹介】二筋樋大坂貞宗

二筋樋大坂貞宗 もと豊臣家の大坂城にあったので、大坂貞宗とも、また二筋樋があるので、二筋樋貞宗ともいいます。徳川家康の次男・秀康は十一歳のとき豊臣秀吉の養子、十八歳のとき結城晴朝の養子になりました。そんな関係で、秀康が秀吉より拝領し、以後同…

【刀剣紹介】楠左文字

楠左文字 『享保名物帳』所載の短刀です。もと織田信長の祐筆頭・楠長庵所持というが、長庵は長諳の誤りです。長諳は楠正儀九代の孫と称し、諱は正虎、式部卿法印と号しました。豊臣秀吉の祐筆も勤めました。長諳から尾張の徳川義直へ渡り、義直は本刀を井上…

【刀剣紹介】大波高木

大波高木 『享保名物帳』所載の刀です。「大波高木貞宗」ともいいます。会津藩主・松平家伝来であるが、由緒は不明です。 刃長二尺二寸九分(約六九・四センチ)。表裏に樋をかいた大切先の刀。磨り上げ物で、六十枚の折紙付き、という以外不明。 参考文献:日…

【刀剣紹介】後藤行光

後藤行光 『享保名物帳』所載、相州行光の短刀です。もと金座・後藤庄右衛門広世所持でした。本刀を加藤左馬助嘉明が入手しました。宝永元年(一七〇四)の折紙は三千貫でした。以後、嘉明の嫡孫である江州水口藩主の加藤家に伝来しました。大正十四年、同家の…

【刀剣紹介】小青江

小青江 『享保名物帳』所載の刀です。加州金沢の前田家に古くからあった伝来品で、同家にはもう一振り、これより長い青江の刀があったので、それを大青江、短いほうの本刀を「小青江」と呼びました。 刃長二尺二寸二分(約六七・三センチ)、小杢目つまり地沸…

【刀剣紹介】伏見貞宗

伏見貞宗 相州貞宗作の短刀です。『享保名物帳』所載、ただし原本にはなく、後人の追記したもので、「由緒・寸尺・代付未詳」とあります。江州水口城主・加藤家伝来です。大正十四年十月、同家の売立に出品されたが、親引きになりました。のち同家を出て、昭…

【刀剣紹介】別所貞宗

別所貞宗 『享保名物帳』所載、相州貞宗極めの脇差です。もと播州三木城主・別所小三郎長治所持でした。長治は豊臣秀吉に攻められ、天正八年(一五八〇)正月十七日落城、自殺しました。のち筑前福岡城主・黒田長政が入手しました。二代将軍秀忠が黒田邸に臨ん…

【刀剣紹介】切刃貞宗

切刃貞宗 切刃造りになった相州貞宗の作です。『享保名物帳』所載の刀です。切り付け貞宗ともいわれています。五代将軍綱吉が元禄十年(一六九七)四月十一日、紀州徳川邸に臨んだとき、世子・綱教より備前真守の太刀とともに、本刀を献上しました。以後、将軍…

【刀剣紹介】児手柏包永

児手柏包永 『享保名物帳』所載、大和手掻包永の太刀です。もと奈良の北部・奈良坂にあったのを細川幽斎が入手しました。刃長二尺七、八寸(約八一・八~八 四・九センチ)の太刀だったので、天正二年(一五七四)三月十三日、二尺二寸八分(約六九・一センチ)に…